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17 緑内障(遺伝性)とストレスの関係について

17 緑内障(遺伝性)とストレスの関係について
質 問

妹(29歳)が目のかすみから病院へ行ったら緑内障(遺伝性)と判断されました。遺伝性の。
その後、離婚話が持ち上がり精神的なことからか更に目が見えなくなってきました。片目(左)。再度別の病院へ行くとストレス性急性緑内障と判断されました。
9月に手術をする予定ですが急性なのにそれまでほっておいても大丈夫ですか?
また精神的なことは原因になりますか?
また緑内障から急性緑内障に発展することはあるのですか?

回 答

血のつながった家族の方、親戚の方などに緑内障の方がいらっしゃる場合は、そうでない方よりも緑内障になる確率は高くなるといわれています。
しかし、家族や親戚の方に緑内障の方がいらっしゃるからといってその家系の方が全員必ず緑内障になるわけではありません。
遺伝などはまったく別にして、日本では、40歳を越えてくると100人に3人は緑内障を発症するといわれています。緑内障は決して珍しい病気ではありません。これまでに緑内障の遺伝子は幾つか見つかってはいますが、特殊にその遺伝子を研究されている施設を除いては調べているところはないと思いますので、妹さんがその遺伝子を持っていると証明されたわけではけしてないと思います。
また精神的なストレスは確かに緑内障にはいい影響は与えないといわれています。
ストレスがかかって、睡眠不足になったりすると眼圧(目の硬さ)が上がって視神経に負担がかかることはあります。ごく一般的に、急性の緑内障発作というのは、高齢の女性に多く、発作を起こした眼がかなりいたんで、頭も痛くなって、吐き気もして、というように症状が強く、我慢できずに眼科の救急外来に駆け込む場合が多いです。その場合、たいていは点眼や、飲み薬、レーザー手術によって外来で治療できます。
妹さんのように若い女性が、このような一般的な急性の緑内障発作を起こすことは考えにくいです。けれども特殊な場合の緑内障の可能性もあるかもしれません。
緑内障と一口に言っても、いろんな種類があります。ごくふうつうの緑内障の場合は、その進行はゆっくりで、点眼や飲み薬で眼圧がコントロールできます。手術になるのは、点眼や飲み薬でコントロールができない場合です。目の状況が急を要する場合であれば手術は待てずに臨時手術になりますが、手術といわれて9
月に計画されているのであれば、眼圧がそれほど高くなくて視神経の痛み具合がかるい、といったようにある程度まってもいい状況なのではないでしょうか。
緑内障から急性緑内障になるかというご質問については、妹さんがどの緑内障のタイプかということに関わってきますが、急性の緑内障発作から慢性緑内障になる可能性はありますし、狭隅角眼というもともとの目の形から急性の緑内障発作を起こすこともあります。
ただ、ストレス性の急性緑内障発作という病名については聞いたことが無く、文献も見たことが無いのでよく分りませんが、もともと狭隅角の方が、ストレスによって瞳が開きがち(散瞳気味)になって狭い隅角が閉塞されることで眼圧が上がって緑内障発作を起こす(あまり考えられませんが)ことをいってらっしゃるのかもしれません。
いずれにせよ診察をさせていただいていないので、妹さんの目の状況がどういうものかがよく分らないので、お答えは難しく、一般的なお話をさせていただきました。
もしも今いっていらっしゃる眼科の治療方針やご説明に疑問があるようでしたら、聞き間違いや誤解がないかどうかもう一度よく納得がいくまで主治医の先生にお聞きになってみることをお勧めいたします。

文責:池田 陽子

 

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